ミノキシジルなどの血圧降下剤は薬学では抗凝血薬や抗血小板剤薬に該当します。要するに血液をサラサラにする薬です。

イブプロフェンなどの痛み止め系の薬は交感神経に作用して交感神経を抑制して血管を弛緩させるので、ミノキシジルと併用すると血流が良くなりすぎて脳内の毛細血管が破裂する脳内出血(脳溢血)を引き起こしてしまう危険性があるなどと言われています。

ただたぶんこれは見当違いで、ミノキシジルイブプロフェンなどの痛み止め系の薬は、どちらも血圧を下げる効能があるので、過度に血圧が下がりすぎてしまうとめまいやふらつきなどのリスクが上昇するということでしょう。

血管が緩みっぱなしになり、逆に血流が悪くなり全身の細胞に酸素や栄養分が行き届かなくなる、だから「併用禁忌」なのだと思います。こちらの説明の方が医学的に論理性がありますよね。

明確な臨床データを見たことはありませんが、スマトリプタンなどの血管を収縮させる作用がある薬も併用禁忌と言われてるので、「血圧に作用する系の薬とミノキシジルは飲み合わせ禁止」と覚えておけば良いでしょう。

勃起不全(ED)の治療薬として知られるバイアグラにも血管拡張作用があるのでミノキシジルとの飲み合わせは控えてください。

飲み薬であるミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)は、すでに説明したように、血圧降下剤です。

高血圧というのは、代表的な生活習慣病。大人が暴飲暴食や不規則な生活を繰り返すことでなってしまう病気なので、普通の未成年者で、低血圧の子はいても高血圧というお子さんは少数だと思います

仮にもミノキシジル外用薬は第一類医薬品に該当するので、根拠のないことを言うのは躊躇(ちゅうちょ)しますが、育毛剤として使用する分には大きな問題が出るとは思えません。

頭皮からミノキシジルを浸透させた場合、作用するのはせいぜい細動脈どまりで、心臓に酸素を供給する冠動脈にまで作用が及ぶとは思えず、未成年者だからといって重篤な副作用が出ることは考えにくいです。

とはいえ「使ってもいいですよ」とは言えないですけどね

ミノキシジルの副作用に関する解説記事なので、怖い話が多かったですよね。それでも薄毛の悩みは深いと思うし、副作用を気にしすぎてミノキシジルを避けて通ると、薄毛が解消しないのは明白です。

薄毛の悩みでうつ病を併発する人も少なくないので、当ブログで言いたいことは「ミノキシジルは危険なので、できれば使用を避けてください」ということを言いたいわけではなく、

「地雷が埋まっている場所はここですよ」

と危険地帯を示すことで戦場を上手に渡り歩いてほしい、と願いつつ執筆した記事になります

外用薬としてミノキシジルを使用するのであれば循環器内科に行く必要はありませんが、もし個人輸入代行などでミノタブを入手して服用しているなら、少しでも体調に異変を感じた時点で循環器内科に行ってミノキシジルを服用していることを伝え、心電図検査を受けてください。

心臓は電気信号で動いていて、ミノキシジルの副作用が出ていれば心電図検査で、心電図検査を受ける前に必ず聴診器と血圧も測るので、肺機能を含めて現在の循環器全般の健康状態も分かります

ミノキシジルの副作用により冠動脈疾患が起きると、ひどい場合は「狭心症」になります。ミノキシジルの服用を続けると胸の痛みが出てくる人が多く、これは狭心症の一歩手前の症状です。十分に気をつけてください。

狭心症がさらに悪化すると心筋梗塞になりますが、ミノキシジルの服用で心筋梗塞になる人はまずいません。

心筋梗塞というのは心臓へ血液供給が途絶えることを意味していますが、ミノキシジルがいくら副作用がきついといっても冠動脈を機能不全にしてしまい心臓への血液供給をゼロにしてしまうことはありえないので、ミノキシジル「だけ」が原因で心筋梗塞が起こるとは考えにくいです

心臓は血液を全身に流すためのポンプの役割を果たしているので、パワーが落ちても血液を全身に供給するために働かなくてはなりませんが、パワーがないのですぐに心臓がバテてしまい酸素を欲するようになります。

しかし、ミノキシジルの作用により冠動脈が弛緩していて酸素がままならないので、心臓は「息が上がったまま」になり鼓動が通常より早まるのです。これがミノキシジルの副作用でおきる心臓の動悸。

動悸は胸の痛みを伴うので、ミノキシジルを飲むと胸の痛みが出るのはこのためです

目の腫れ(皮膚の膨張)は、目の細胞と細胞の間の体液が膨らんだ状態をさしますが、それがなぜミノキシジルによって引き起こされるのかまでは解明されていません

しかし、ミノキシジル服用者の多くに現れる代表的な副作用の一つであることは間違いなく、目がかすんでくることもあります。

ミノキシジルの副作用は胸痛ばかりが注目されがちですが、一番多いのは実は目の腫れなのです

動悸(どうき」とは、平常より心臓の動きが早い状態のことです。

ミノキシジルの作用により冠動脈が弛緩し、心臓への酸素供給量が落ちると、心臓のパワーが落ちてしまいます。

「パワーがない」とはどういう状態かというと、筋力の弱い人が重い物を持ち上げようとする状態だと思えばイメージしやすいでしょうか。筋力が弱い人が重い物を持ち上げるとすぐに息が上がってしまいますよね。